2-3. SASデータセットの内容を表示する

データセットを作成したら、まずはログの確認と実際にデータセットの内容を表示させて正しくデータセットができていることを確かめるのがよいでしょう。SASデータセットの内容を表示させるには二通りの方法があります。


(1) PRINTプロシジャを使う

これまでのチュートリアルで既に使っていますが、PRINTプロシジャを使ってデータセットの内容を表示することができます。書式は次のとおりです。

proc print data=データセット [ オプション ] ;
  [ var 変数リスト ] ;
run;

詳細

表示する変数をVARステートメントで指定します。VARステートメントの変数リストは変数名をスペースで区切って列挙します。VARステートメントは省略可能で、省略した場合はデータセットに含まれる全ての変数を指定したことになります。

PROC PRINTステートメントに指定できるオプションは幾つかありますが、通常はそれほど必要になることはないでしょう。

※ PROC PRINTステートメントで指定したデータセット名の後ろに (obs=n) と書くと初めのnオブザベーションだけが表示されます。これはSASのデータセットオプションという機能の一部で、本チュートリアルでは扱いませんが、件数の多いデータセットの一部だけを表示させたい場合には覚えておくと便利です。データが数百件、数千件以上あるような場合、全てのデータをPRINTプロシジャで表示させると大変なことになります。通常、データセットが正しく作成されていることを確認する程度なら最初の数十件程度を表示させれば十分でしょう。

/* データセットオプションで最初の30件だけを表示させる */
proc print data=books(obs=30);
  var title author publisher pubyear isbn ;
run;


(2) データセットを直接開く

製品版

データセットを開くには左側ペインのエクスプローラにある『ライブラリ』をダブルクリックして開くと『Work』というライブラリがあります。作成したデータセットはこの中に含まれていますので、ダブルクリックして開くと内容が表示されます。

図2-5
図2-5. エクスプローラ
図2-6
図2-6. Workライブラリの中のデータセット
図2-7
図2-7. 製品版でのデータセット表示

メニューの[データ]-[表示/非表示(H)]を使うと必要な変数だけを表示させたり、表示順を変えたりすることもできます。

図2-8
図2-8. 表示/非表示

ODA

ODAではサブミットしたコードでデータセットが作成されると自動的に『出力データ』ページが開いて、データセットの内容が表示されるようになっています。ここでは左側の列で変数を選択して必要な変数のみを表示させることもできます。PROC PRINTでVARステートメントを使って必要な変数のみを表示させるのと同じことができます。

もしもサブミットしたコードで複数のデータセットが作成された場合は『テーブル』のドロップダウンリストからデータセットを選択することができます。このドロップダウンリストの表示にはデータセット名の頭に『WORK.』という文字が付加されていますが今のところは気にしないでおいてください。これはSASのライブラリ名というもので、中級編で解説します。

図2-3
図2-3. Sample 2-2 をサブミットした後の出力データページ

『出力データ』ページには直前にサブミットしたコードで作成されたデータセットだけが表示されており、別のコードをサブミットすると自動的に閉じられてしまいます(そのコードでデータセットが作成された場合はそのデータセットの表示に変わります)。

作成済みのデータセットを表示するには、左側ペインの『ライブラリ』を開きます。『ライブラリ』を開くと『マイライブラリ』の下に『WORK』というライブラリがあり、作成したデータセットはこの中に含まれているはずです。必要なデータセットをダブルクリックすると『出力データ』ページと同様のタブが開いてデータセットの内容を表示することができます。

図2-4
図2-4. WORKライブラリの中のデータセット